GANTZ:O こそ俺たちが見たかった GANTZ

MX4D で鑑賞。 ぶっちぎりの傑作です。 これぞ俺たちが観たかったガンツ。 原作ファンには絶対に絶対のオススメ。 私は原作が大好きすぎるので気持ちの入れ込みがハンパなかった。 高まりすぎて開始5分で号泣。 全編通して原作以上のアドレナリンが出続けた。 バトル漫画映画化の集大成といえるだろう。

GANTZ:O は原作の大阪編だけを舞台にしており、キャラのカットはあるものの9割は原作通り、そしてバトルの緊迫感は原作以上であった。

なのでネタバレするほど新規内容ではないので思いの丈を書いていく。

■見せ場

GANTZ 原作の魅力というのは、どうあっても誰かは死ぬという緊迫感のあるバトルだった。そして本作ではその空気感を完全に再現している。 大阪編の敵は妖怪。1撃で倒せる雑魚から始まり、大型妖怪とのリスクを伴う戦い、ラスボス手前の天狗と牛鬼、そして最後にぬらりひょんが待ち受ける。ぬらりひょんは何度粉々にしても復活する不気味さに加えて、最終形態は巨神兵的な風貌で当たれば即死の破壊光線を連発する。 本作はその全てのバトルを高度な技術で完璧に映像化することに成功した。妖怪の肉を切り割く縄、全てをつぶす重力砲は迫力満点。それに対して立ち上がってくる天狗の怒りに満ちた表情から感じる焦りは本作の見せ場の1つであろう。またぬらりひょんの早すぎる動きで大阪のエースを瞬殺するシーンもまさに映画ならではの説得力。 ぬらりひょん光線vs狙撃のシーン、そして最後の加藤の絶叫連射はこの戦いにカタルシスをもたらしていた。 青光るスーツやスーツ破損のドロドロなどのディテールも大変素晴らしかった。

そしてこれらはすべて 3DCG である。

この 3DCG がいかに素晴らしかったか。 話は飛ぶがシンゴジラは怪獣アクションをほとんどまったくやらせていないかった。これはハリウッドゴジラへのアンチテーゼ的に攻めることで二番善事や劣化版視されることを巧みに避けてうまくいった結果と思っているけど、今の日本の CG じゃあのハリウッドクオリティには勝てないからやってないんじゃないのっていう邪推もできた。 だが GANTZ:O を観ればそんな不安は完全に払拭される。現実に違和感なく組み込まれた 3DCG のクオリティはまさに世界レベルで、ガンツ特有のド迫力なアクションシーンを、原作どおりの血が沸騰しそうな温度感のままに完全再現している。

いやむしろ原作以上に面白い。 原作でも充分に 緊迫感のあるバトルは表現されていたが、漫画という形態はスピード感のある動きや音を表現することに制限がある。一方実写ではそこを表現できるが、どういうわけか漫画の実写版映画は非常にうまくいったというのをほとんど聞いたことがないし観たこともない。 GANTZ 実写版2作についても悪くはないにせよ大成功とは言い難かっただろう。 しかし本作の 3DCG はまさにその間を埋めてきているのだ。音と動きが加わるだけでこんなにもインパクトが上がるのかと当たり前のことが心から感動した。ダイナミックな動きのある妖怪が迫り来る恐怖を半ば強制的に体験させられる。これぞまさしく原作 GANTZ を読んだときに感じた恐怖感そのものだ。 3DCG といえばゲームのムービーが最も身近だが綺麗な見た目は描けても映像コンテンツとしてのスピード感や緊張感を長時間やりきった作品はこれまでほとんどなかった。ゲームのムービーは悪くいえば1回見るだけで結構充分なものが多い。だが映画全編を 3DCG で表現することで没入と切迫した精神状態をここまで作り出せるのかと深く感心した。

■改変ポイント

他の個所でも多く言及されておりあまり触れるほどのことでもない。人間キャラのカット、妖怪側も犬神が出ないという大幅カットもあるものの、 とにかく長かった印象があるぬらリひょんとのバトルは程よく短縮されており、映画の尺としては非常に良い時間になっている。

■ 企画、編集

大阪編だけに絞り込んだことも素晴らしい。 映画はせいぜい2時間しかないので原作全体をまとめようとしてもどうにもならないことのほうが多い。多くは前後編または3部作になるが、緊張感がある部分だけを完全完璧に描くという英断には拍手を送りたい。 一部だけを描くことにはリスクも大きい。ネタバレするほどストーリーの複雑さはなく戦っているだけだが、とはいえ未読者にあのテンションが伝わるかどうかはわからない。 SF 好きなら設定などがすぐに理解できるので存分に楽しめるはずだが、原作未読かつ SF 初心者にはさっぱりわからないのでは。

■声優

玄野は徐々に精神的成長するタイプだが加藤は生まれついての主人公キャラだ。正義感あふれメンバーを引っ張る彼の姿に釘付けになるほかない。ここ数年毎週のようにジョジョアニメを観ている身としては、加藤の声が空条承太郎だったのが盛り上がらないはずがなかった。 そして大阪チームの3強が意外にも芸人が担当していたというのが驚き。レイザーラモン HG RG 、ケンドーコバヤシのいかつい演技はあまりもに自然で、これは次の仕事もあるなと冗談抜きで感じたほどだった。

これこそ本来みんなが観たかったガンツなので、原作ファンには是が非でも観てほしい。 パッとしなかった実写版の雪辱を果たしたといえる。

つくづく思うけど日本はアニメの国だね。

SCOOP! は 2016 年のベストオブ男映画

中年フリーランスカメラマンが新人記者の教育をするパパラッチ映画。 大根仁監督。福山雅治主演の邦画です。

出演陣のカリスマ的魅力が炸裂した大傑作でした。脚本と編集が最高すぎて福山×二階堂の日常の掛け合いですら泣きそうなぐらい興奮した。2016年の年間ベスト確定。あと2ヶ月あるけど流石に覆らないでしょって思ってる。

観終わってから思わず福山の真似をしてしまったんだけど、真面目にこんなに映画に感化されたのパルプフィクション以来かもしれない。

ちなみに中年男のロマンの映画なのでまったく女性にはオススメしない。


以下、ネタバレ。

とにかく全編見せ場だらけ。 まず、オープニング。狭い車内から、ビル街を映し出す空撮へシームレスに流れていくダイナミックな映像に心を鷲掴みにされる。 続く盗撮現場から編集部。福山のガサツな態度に、えっ、こんなキャラでアリなのってそわそわ。 そして二階堂がはじめてパパラッチするシーン。好きな芸能人のプライベートをのぞき見ただけじゃなく、陥れるようなことをほんとにやるの?という流れから、爆音 BGM とともにアドレナリン全開のシャッター。そう、これはまさに初期衝動そのものなんだ。そして、観たかったのはまさにこういう映画なんだよ! 2つ目の案件では、二階堂がやっとまともな仕事をする転機のシーン。ホテルのロビーで張ってるとき、それまでグダグダだった二階堂がターゲットの存在に福山より早く気が付いちゃう。地味な変装とはいえ女視点からしたらやっぱ芸能人てすぐわかっちゃうわけ。わざとらしくおいおいって顔をする福山。そこではじめて仕事仲間として見直すわけだ。過剰に派手な花火演出のあと、最後のカーチェイスのカメラワークに突入して、それはもう邦画とは思えないクオリティ。いやハリウッドには全然負けてるんだけど、邦画だってやり方によっちゃやれるんだよって。もう興奮を抑えきれない。 そして中盤捕まってからのリリーさん大暴れ+夜遊びする2人、犯人の撮影での2段構えと大芝居、終盤リリーさんの狂気から最後まで撮影させようという男福山。全てが絵になりすぎる映画だった。 ラストシーンがまた忘れられない。最後に車から出てくるのは二階堂と新人カメラマン。軽い会話のあと、オープニングと同じくビルの空撮に一気に飛び立っていく。また全てがここから始まることを予感させて。

主演は福山だが、本筋は二階堂ふみの成長物語。まず、とりあえず撮影やらせてみる→次に大物を狙って撮る、と前半はこんな流れだが、後半も、調子に乗って大失敗→新しいジャンルの仕事で大成功→最後の事件と1人立ち、と分かり易い。 そしてそれぞれのフェーズで名シーンがあるのは上述のとおりだ。

テレビドラマ的なストーリーテリングをそのまま映画に持ち込んでいる印象。話の切れ目がわかりやすく分割できるし連ドラ化しても全然成り立つような内容になっている。鼻に付く軽さもあるけどむしろそのノリがこの爽快感につながっていると感じて、仰々しいぐらいのほうがこの作品には合ってると納得した。

全出演者がわかりやすくキャラ立ちしており、下手な悪者や善人はおらず、潔くプロフェッショナルに徹している。 第1に福山がカッコよすぎた。やりたい放題やり続ける中年男が革ジャン+柄シャツに象徴される生き方を完璧に体現している。この圧倒的な爽快感にタランティーノ映画すら想起したよ。仕事仲間からの厚い信頼と現場を切り抜ける実行力。中年になってもみんなの憧れでありつづける。美女2人を手籠めにしても恨まれない。下品な言葉遣いすら愛おしい。これぞカリスマ。そしてやはり男は革ジャンだ。 言い方語弊があるけどアイドル俳優にはこういう役をどんどんやってほしい。映画の余韻で福山のインタビューなどをいろいろ探して観てるが普段の雰囲気と SCOOP! じゃやっぱり全然違う。俺はそのギャップに明らかにやられた1人だな。 吉田羊と滝藤賢一は嫌味な社畜編集マンかと思いきやマジにプロフェッショナルな役どころで、会社ではポジションがあるのに、個々のシーンでは福山には頭が上がんなかったりする。このあたりがとても好きな描写。それこそしっかり人間通しの信頼を描いている。 二階堂そんなに好きじゃないと思っていても毎回観る度にはじめて見たかのような衝撃を受ける。実際彼女が話を回す役なんだよね。 リリーさんは毎回ズルいぐらい最高と最低の両面をこなしてくる。登場シーンはほんとリリーさんかよっていうぐらいヤバい雰囲気だし、最後のリリーさんも登場シーンとは真逆の意味でほんとリリーさんかよっていうぐらいヤバい雰囲気だった。

BGM の使い方も極めてクールで、特に前半の撮影現場メインの展開では多幸感すら感じた。

正直女性が観ても全然だろうなと。これは完全に男の仕事の映画だよ。わがままに生きてきた中年男のロマンなんて、誰かに気を遣ったら描けない。思いっきりいろんなものを切り捨てたからこそ、男の虚勢やら哀愁やら友情が描けるじゃないかな。

作品の評価というのは自分がどうありたいかを問われることから離れられない気がしている。完全な客観的視点、言ってしまえば統計なんて個人の思いの前には全く意味をなさない。むしろ考えもしなかった妄想を突如突き付けられてこの上なく至福だったらそれは自分なんじゃないかと錯覚する。そんな価値観のゆらぎこそが評価の本質にあると感じた。

小学生の頃は映画に感化されやすくて、スターウォーズのチャンバラとかバックトゥザフューチャーのスケボーとかインディージョーンズとか真似しまくるわけです。その後中二病になるとターミネーター2、タクシードライバー、パルプフィクション、ゴッドファーザーとかもっと猛々しい感じになっていってまあ急に高校生ぐらいで落ち着いてしまったわけだけど、正直今回の SCOOP! 観た後に福山の真似をしてしまったとこをみると私にはほんと久しぶりの快感だったわけだね。

オーバー・フェンス鑑賞

家族も仕事もうまく行かなくなった男が職業訓練校に通う中、変な女と出会う青春リバイバル。 山下敦弘監督。

重いテーマながら笑いの要素をいれてほっこり描いた良作です。 こういう日本映画をもっと撮って欲しい。 オススメ。


以下ネタバレ。

オダギリジョー、蒼井優、松田翔太の持ち味を活かした配役が素晴らしい。オダギリは状況的にボロボロなはずなのに頑張らず自然体。寡黙ながら優しい物腰で周囲の信頼を得ていきます。蒼井優は完全なメンヘラ。松田翔太はスカした雰囲気でグイグイ引っ張るタイプで水商売経営をチラつかせたりこういう器用なやついるよな感が出ている。逆に言えば新しさはないですが彼らのお家芸をこなします。

蒼井優のメンヘラは気味が悪いほど完璧だった。ああいう人は実際いる。けっこういる。絶叫して怒り狂うシーンが2,3回あって、映画観ていて拒否反応を出す人がけっこういるんじゃないかっていうぐらいのリアリティ。

一番良かったところは夜の動物園のシーンです。蒼井優の鳥のダンスとなぜか降り注ぐ羽。羽が降り注いで他の鳥たちがざわついて、結局何がおこったのかわからなかったけど、2人の気持ちは縮まっていった。その何かが起きたっていう映像の魔法。青春が蘇ったかのような奇跡的な輝きを放ちます。

タイトルの暗喩がうまい。野球場のフェンス、動物園の檻、心の壁など如何様にもとれます。鳥がいっぱい出て来るのもいいです。蒼井優が求愛のダンスを真似たり、ワシは動物園から逃がそうとしても逃げなかったり、何か気持ちの動きがある瞬間には鳥が意味を添えているような表現をしています。

オダギリが元嫁と再開して最後に泣くシーン、あれは非常に共感しました。以前とても大切にしていた関係がもうどうしようもなくなってしまったを理解したときの悲しみ。ずっと指輪をとれなかった彼の気持ち。本当に痛いほど実感できた。

カメラは、カットを入れない中距離固定で複数人を同時に撮るシーンが多い印象。あんまりアップ画を使ってないので緊迫感みたいなのはない。ゆったりした日常画になっていました。

怒り鑑賞

怒り鑑賞。 殺人事件の容疑者3名と周囲の人間関係を描いた群像劇。 李相日監督。

演技は最高にいい映画なのだが話に乗れなかった。 長さと編集が合わなかったです。


ネタバレ。

話はひたすら容疑者の疑わしさをチラつかせるが、2時間それだけで進むのでとにかく長い。。冒頭の怪事件捜査シーンを観てからミステリーや衝撃の真実みたいな展開を期待してしまったのがたぶんダメだった。正直怒りというタイトルでミスリードしていたが、事件捜査の衝撃的な展開はなく、人の出会いと信頼を描いた群像劇なので、その辺に意識を向けれて見直せば理解できるかも。 3本が同時並行で、後半さあ誰が犯人なんだ!!っていう緊張をもたらすのは効果があったのだけど、渡辺謙の千葉編以外で直接捜査の手が入るわけではなく、グイグイ進む感じがあんまりしない。まあ原作ママとはいえ、引っ張りすぎではと思ってしまいました。

だだ演技はすごい。役者が全員主役級ながら食い合うような雰囲気もなく全員が主演を演じきる。(豪華キャストのロクヨンは逆に演技合戦に見えてうるさかった印象があって。)そんな中でも宮崎あおいはスバ抜けていた。 容疑者役3人は神妙な顔つきで静かな演技をする。森山未來のクズ人間も完全にハマリ役だし松山ケンイチは寡黙で視線だけでも意味がある演技。綾野剛も器用に不審者になりきっていた。妻夫木くんは終始笑顔だが完全に気遣いから来る営業スマイルで演じていて派手目な雰囲気がとてもかっこいい。渡辺謙は苦虫を潰したような顔で地方のおっさんを固く演じていたし、すずちゃんは少し世間知らずの子供っぽい感じを出している。 宮崎あおいだけが感情を素直にストレートに出す役なので唯一ほっこりできるのだった。彼女の透き通った雰囲気を十二分に活かしていた。最高のハマり役。この張り詰めた映画の中で彼女の存在はとても貴重に感じた。

スーサイド・スクワッドつまんなかったのでハーレイクインロマンスに改題すべき

悪役集団を人外驚異と戦わせるアメコミ実写系映画。

バットマンvsスーパーマンと設定を一部共有していますが、本筋には関係ないので全然知らなくても観られます。

脚本・演出ともに弱く、正直あまりオススメはできないです。 ただハーレイ・クインだけは最高でした。


ネタバレ。

弱点は脚本・演出を総じてキャラ性の弱さですよ。悪役も魔女も含めて特殊能力の面白さを描いてないのでなぜこいつらが必要なのかが弱い印象。能力的に勝てるのかよくわからないのであっさり勝ったり負けたりする。特に最後の魔女とか能力全然使わないし弱すぎじゃない?ジョジョみたいな得手・不得手の駆け引きがあれば。。

編集は細切れで各シーンを詳細まで描ききらず。バトルでもただ殴るだけとかで特殊能力の派手さを際立たせないし。はじめて MX4D の意味あるのって思ってしまった。。

でもハーレイ・クインだけはズバ抜けて素晴らしい。ウィルスミスが主演だという噂は完全にウソで、ハーレイクイン役のマーゴット・ロビーが主演です。ハーレイ・クイン&ジョーカーのとこだけ切り取ってくれたら何回でも観られそう。ギラギラ演出のほとんどがこの2人のためにあったと言える。特に排水の絡みシーンがマジ神。セリフといい色彩といいなんたる官能!ヘリのシーンも楽しかったし、最後のおまけも興奮した。ここだけは間違いなく傑作。

バトルは退屈なシーンが多いけど、終始既成曲連発なのでノリノリ感はある。新旧問わず選出されたポピュラーミュージック映画としては爆発感があったのでサントラがほしい。

完全にハーレイ・クイン&ジョーカーを楽しむための映画です。

ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>鑑賞

小学生でも楽しめる正統派アクション映画。 ビルからの落下、カーチェイス、飛行機でのバトルから川くだりまで、3D+MX4Dを存分に楽しめる。 タートルズ以外のキャラも活躍の場があり1秒たりとも飽きさせない。 仲間割れの要素も少年ジャンプ的でとても良い。 そしてあのテーマ曲と気持ちの高まり! ファン必見の良作。


以下ネタバレ。

この映画の面白さはとにかくマジカルな絵作り。 オープニングのビル見下ろし視点でタートルズがふざけて落ちていくところからだいぶ楽しい。 NBA を観たり、ハロウィンに参加したり楽しさいっぱい。 暗闇のカーチェイス、警察署内でのバトル、飛行機を飛び移るアクロバット、 墜落から川下りへつなぐ強引な展開、 これぞアクション映画でしょ! よくこんな完璧なカメラワークできるなと。 まさに3D+MX4Dの真骨頂。 最後は宇宙船の組み立てがトランスフォーマーかよと思いつつ、4人協力プレイでボスを倒す!しかも天才メカニックのドナテロが物理攻撃のトドメ! 仲間割れして、1回負けたあと反省して、それからチームを組み立てなおすベタベタな展開が小学生男子的に鉄板のストーリー。これは感動以外はあり得ない!

すごいのは人がぜんぜん死んでない感じなところ。きわどいところはごまかして、ちゃんと小学生でも観られるように作られている。それでもすべてが興奮の連続なのが大事なんだな。

エイプリルはひたすらかっこよくなってる。歩きながらさっそうと着替えたり、情報を盗み取ったり、本職何やってるかよくわからんが捜査官モドキが完璧にハマっていた。 エイプリル相手に「円周率を15桁言えるか?」って口説きだす博士には他人には思えないキモさがあったね。

モブも全員キャラ立ちしていていい感じ。ヴァーンは100%ネタキャラ化して全シーンダサいし、途中警官の青年も活躍したり。

とにかくファンは絶対に観るべき。

ライト/オフ鑑賞

電気を消すと暗闇に何かいる系ホラー映画。 この単純なアイディアがカメラワークと BGM で非常に怖く仕上がっていた。 親子関係を絡めた脚本もしっかりしており、バカな死に役がおらず全員で戦う展開も◎。 主演女優が美人&子役が名演など、ホラーのディテールも押さえた良作。


以下ネタバレ。

開始20分のシーンは一番シンプルにまとまっていて怖い。 悪く言うとその部分が予告まんまで最怖パターン。 ただ全体90分なので冗長な感じはないし、むしろうまく親子ドラマを描いていた。母をうつ病設定にしたので、悪霊+うつ病というのが違和感なくマッチしていた。

暗闇に何かいる!っていう瞬間の怖さをストイックに追及していたのはとても良かったけど、さらにブラックライトで本体が出るシーンも素晴らしい。

子役の表情がうまい。子供らしい怖がり具合を完璧に表現していて、俺も子供なら同じ表情するよって共感すら感じた。

主人公の彼氏がロックンローラーで髭と革ジャンがカッコいい。普通ならイケメンリア充は死に役だけど、最後まで助けてくれて好感が持てる。

逆に面白くなかったところは、最後の戦い。 戦い自体を全員で総力戦にしたのはうまいと思ったけど、あんまり直接対決もなく、相手の弱点を突くわけでもなく、結構やられっぱなしだったのではという印象。

正直鑑賞後に帰宅して部屋の電気を消したときの恐怖感は異常。 その後結構躊躇してしまう自分になってしまったので、 怖さがじわじわくるのは間違いない。