聖杯たちの騎士 = テレンス・マリック + エマニュエル・ルベツキ

中年の映画脚本家の男が出会った女性たちのイメージをタロットに重ねて、人生の虚無に向き合う内的世界を観念的映像で綴る雰囲気映画。 テレンス・マリック監督、ルベツキ撮影監督のガチファンとして鑑賞。 マリック+ルベツキによる映像は詩的で奇跡的な輝き…

ローグ・ワン 俺たちのスターウォーズはこれだ

スター・ウォーズEP3とEP4の間に起きた反乱軍の作戦を描いたスピンオフ作品。 スター・ウォーズのガチファンとして鑑賞。 最低限EP4は観ておいたほうが楽しめる。 中盤までは使い古されたよくあるプロットの焼き直し感があり全然盛り上がらなかったが、後半の…

死霊のはらわたチームが到達した次世代ホラー ドント・ブリーズ

目の見えない危険人物が密室の暗闇で暴れるという思い付きだけで90分ひっぱるホラー映画。 絶叫・スプラッター・POVから距離を置いた着想から、音に注目した脚本と、1歩踏み込んだカメラワークの調和が素晴らしい。良作。 1番の好きなポイントは盲目ジジイに…

ブレア・ウィッチ・プロジェクトの正式続編ブレア・ウィッチは似て非なる良質POVホラー

魔女の森をさまようPOVホラーの続編。 前作のガチファンとして鑑賞。設定は同じで演出は全く違うが非常に怖かった。良作。 好きな点は、舞台をほぼ夜に振り切りPOV特有の暗闇の恐怖を充分に活かした構成。中盤から暗闇の森と穴と部屋をノンストップで押し切…

マジカル・ガール 視点スイッチ系不条理サスペンスの怪作

複数人の視点スイッチ系不条理サスペンス。 視点スイッチの構成は一般的に事実を徐々に明らかにするための手法となることが多いが、今回は意図的にミスリードを導き不条理を描く手段として最大限に機能している。娘の病気→嫁さんの秘密の仕事→先生の復讐劇と…

この世界の片隅に鑑賞

切れ目なく繋がれた台詞と最小限のカットで表現された隙のない編集が神業級。喜劇と悲劇が同居する本当の日常。未読だが原作も完璧なのだろう。のんちゃんの声は主人公そのままとしか思えず奇跡的な輝きすら感じた。コトリンゴの音楽と合わせて、究極のバラ…

GANTZ:O こそ俺たちが見たかった GANTZ

MX4D で鑑賞。 ぶっちぎりの傑作です。 これぞ俺たちが観たかったガンツ。 原作ファンには絶対に絶対のオススメ。 私は原作が大好きすぎるので気持ちの入れ込みがハンパなかった。 高まりすぎて開始5分で号泣。 全編通して原作以上のアドレナリンが出続けた…

SCOOP! は 2016 年のベストオブ男映画

中年フリーランスカメラマンが新人記者の教育をするパパラッチ映画。 大根仁監督。福山雅治主演の邦画です。 出演陣のカリスマ的魅力が炸裂した大傑作でした。脚本と編集が最高すぎて福山×二階堂の日常の掛け合いですら泣きそうなぐらい興奮した。2016年の年…

オーバー・フェンス鑑賞

家族も仕事もうまく行かなくなった男が職業訓練校に通う中、変な女と出会う青春リバイバル。 山下敦弘監督。 重いテーマながら笑いの要素をいれてほっこり描いた良作です。 こういう日本映画をもっと撮って欲しい。 オススメ。 以下ネタバレ。 オダギリジョ…

怒り鑑賞

怒り鑑賞。 殺人事件の容疑者3名と周囲の人間関係を描いた群像劇。 李相日監督。 演技は最高にいい映画なのだが話に乗れなかった。 長さと編集が合わなかったです。 ネタバレ。 話はひたすら容疑者の疑わしさをチラつかせるが、2時間それだけで進むのでとに…

スーサイド・スクワッドつまんなかったのでハーレイクインロマンスに改題すべき

悪役集団を人外驚異と戦わせるアメコミ実写系映画。 バットマンvsスーパーマンと設定を一部共有していますが、本筋には関係ないので全然知らなくても観られます。 脚本・演出ともに弱く、正直あまりオススメはできないです。 ただハーレイ・クインだけは最高…

ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>鑑賞

小学生でも楽しめる正統派アクション映画。 ビルからの落下、カーチェイス、飛行機でのバトルから川くだりまで、3D+MX4Dを存分に楽しめる。 タートルズ以外のキャラも活躍の場があり1秒たりとも飽きさせない。 仲間割れの要素も少年ジャンプ的でとても良い。…

ライト/オフ鑑賞

電気を消すと暗闇に何かいる系ホラー映画。 この単純なアイディアがカメラワークと BGM で非常に怖く仕上がっていた。 親子関係を絡めた脚本もしっかりしており、バカな死に役がおらず全員で戦う展開も◎。 主演女優が美人&子役が名演など、ホラーのディテー…

ゴーストバスターズ(2016)はなぜつまらないのか?

80sの大ヒット作のリブート映画です。第1作のリメイクに近いですが、元ネタを知らない人でも全然大丈夫な内容。ただ私には正直マジで面白くなかった。まあおバカ映画としてビールを飲みながらぐらいがちょうどいいんじゃない? ---------- 以下ネタバレ。 好…

死霊館 エンフィールド事件

ソウのジェームズ・ワンによる人気ホラー映画の2作目。 両作とも実話の怪事件を基にした霊的なホラーで、2作とも大好き。 ホラー好きには絶対にオススメできる。 ホラーとしてのカメラワーク + BGM の演出は完璧すぎてお手本的な安定感がある。そもそもソウ…

運命じゃない人

●あらすじ 生き方の異なる男女5人が、ある一夜に、それぞれの恋と友情と金をめぐって交錯する娯楽映画 ●メッセージ 1. 人はひとりで生きているが、偶然出会った人間との関係によりさまざまな相互作用を起こす。 2. 物事は立場が違えば、ラブストーリーにも…

転々

自堕落な生活を送る借金漬けの男とその借金取りが、2人で数日間、都内の思い出の地をめぐり歩く、東京ローカルのロードムービー。 いい映画だった。映画を観てると東京の知ってる土地がかなり出てくるのでとてもウキウキになる。 設定は逆説に溢れている。借…

【その男】 JCVD 【ヴァン・ダム】

ジャン=クロード・ヴァン・ダム48歳。90年代、『ダブル・インパクト』、『ユニバーサル・ソルジャー』、『ストリードファイター』などのB級アクション映画に出演し、テレ東の木曜洋画劇場で何度も放送されて一部から熱狂的な支持をうけた、あの最強の男ジャ…

【ディランが】 アイム・ノット・ゼア 【ロック】

ボブ・ディランという人物を、6人の役者が6人の別人という設定で演じるライフミクスチャームービー。現在66歳のディランは1962年にフォーク歌手としてデビューし、その後ロック、カントリー、キリスト教布教ソングなど何度か方向性を変えながら現在も世界の…

【ウォン・カーワイ】 マイブルーベリーナイツ 【英語デビュー作】

失恋した女性が気持ちを整理するための旅をしながら、深夜のカフェバーで出会った男に手紙を書くロードムービー。歌手ノラジョーンズの映画デビュー作。そして香港出身の監督ウォン・カーワイの英語作品のデビュー作でもある。この監督の映画はほとんど全部…

【炎の中で】 THE BATTLE OF MAKUHARI 【眠れ】

死んだはずのカリスマが生き返った。この週末はオレにとってそんな奇跡が舞い降りた。なぜなら世界で一番好きなバンドの再結成ライブがあったからである。 ヘビメタの最盛期を象徴するバンドであったガンズが勢いを失いはじめたころ、90年代初頭のアメリカン…

【上野樹里】亀は意外と早く泳ぐ【蒼井優】

全く普通の主婦の女性(上野樹里)が、日常的にこんな変なことたまにあるだろうっていうことばかりをたくさん経験しながら、街でスパイをしていく邦画。2005年。三木聡監督。 内容は全てがネタです。夜8時とか9時とかから売れている芸人がやっているコント番…

【封切日に】自虐の詩【見に行きました】

父親が逮捕されるという悲しい過去を持つ幸江が、町の小さな中華料理屋で働きながら、どうしようもないヤクザ崩れのチンピラのイサオを支えていく姿を描いたギャグマンガの映画版。オレは癖で「最高、最高」と何でも「最高」扱いにしてしまい、会社の同僚の…

【ロドリゲス】プラネットテラー イン グラインドハウス【ゾンビ満載】

コメディアンを目指すお色気ダンサーとその元恋人が謎の病に冒された人々とバトルするゾンビ系スプラッター映画。 オレが20代に見た最高の映画は『シンシティ』であり、本作はその監督ロバート・ロドリゲスの最新作である。チープなストーリー、下品な演出、…

【タランティーノ】デスプルーフ イン グラインドハウス【復活】

アメリカのバッドガールズが変質者とバトルする低級・低俗・低予算のB級映画。見る人を選ぶので誰にも勧めないけど、過剰なフェティッシュと暴力を自由に表現する本作は奇才クエンティン・タランティーノ復活の狼煙。Yahoo映画のユーザレビューではガールズ…

【マイケル・ムーア】シッコ【最高傑作】

先進国で唯一、健康保険が企業任せのアメリカで、病気だが保険が降りずにまったく治療が受けられない市民たちの絶望を描いたドキュメンタリームービー。マイケル・ムーア監督作品。 なんで健康保険に入ってるのにお金が出ないの? 保険が効かない場合、医療…

25時

麻薬の密売がバレたせいで25時間後までに刑務所へ入らなければならない男が、家族、親友、恋人、仕事仲間たちと最後の夜を過ごすアメリカの悲劇映画。 やりきれない思いのエドワード・ノートンはトイレの鏡の前で、街にいる連中全員に向かって、「おまえらみ…

結婚できない男

8月の中旬のお盆に実家へ帰ったら、母親が「あんたにそっくりなキャラが出ている話があるのよ!」なんて興奮していうのだが、俺は「ふーん」と関心なさげに答えていたら、勝手にビデオのスイッチを入れて見せ始めたドラマがあった。 『結婚できない男』 これ…

斑目晴信の恋

身近に非常に美人な女性がいる。男勝りの性格で、積極性とリーダーシップに富み、そして話もうまいので、一緒にいると楽しい。だから近頃のオレは勝手に一方的に浮かれた気分である。だが別にそれっぽい脈も無いのがよくある状況だったりする。 『げんしけん…

ザ・コーポレーション

ドキュメンタリー映画『ザ・コーポレーション』を渋谷のアップリンクで観てきた。ここは徹底的なこだわりによってつくられた空間で、ウッディーに統一されたインテリアが心地よいのだが、年始ということで客が笑えるほど少ない。暖房がぜんぜんきいておらず…